food

食育に積極的に取り組んでいます。

これからの子供たちのためにできること。

食育には、様々な要素が含まれています。
栄養について知ること、一日に何をどれだけ食べるべきかを考えること、食べ物自体のことを知ること、作法や伝統を知ること、etc…

私がその様々な要素を持つ「食育」の中で、特に大切に思っていること、忘れないようにしようと思っていることがあります。
それは、「食べ物の大切さ」、「考えることの大切さ」、「感じることの大切さ」です。
食育は子供のためだけのものではなく、大人にも必要なことだと思います。

地球のめぐみある食べ物の大切さ

現在、日本の食糧自給率は40パーセントと言われています。
食べ物の半分以上を輸入しているということです。
日本の食糧廃棄、つまり食べずに捨てている食料は、日本の食糧輸入量の約4分の1にあたるといわれています。
たくさんの食べ物を輸入して、たくさんの食べ物を捨てているということなのです。

「食料を輸入できなくなったら一体どうなってしまうのだろう」という状況の日本。
そこにいる私たちは、多くの食べ物を捨ててしまっています。
例えばコンビニエンスストアのお弁当、デパートのお惣菜売り場…
時間がきたら、あっという間にゴミになってしまうということを、どのように考えますか?
レストランでたくさん注文して、でも食べ残してしまうことを、どう思いますか?
家の冷蔵庫で、野菜をひからびさせてしまうことを、どう考えますか?

世界には食料に困っている人たちがたくさんいます。
そして、たくさんの食料を輸入するための輸送には、膨大なエネルギーが消費されているのです。
また、その食料が私たちの手に届くまでには、
たくさんの人が一生懸命に働いているのです。

食べ物を大切に。私は本当にそう思います。
よく言われる言葉ですが、これらの状況を考えてみると実感できます。
感謝して、おいしく、残さず食べる。
できるだけ国産の食材を買う。
買った食材は大切に保管するし、おいしく料理していただく。
そんな、自分にできることからはじめませんか?

食材について考えることの大切さ

食材のことを考える。

みなさんは、「私は食べ物について色々と考えているな~」と思うことがありますか?
普段の生活では、食べることは当たり前のことですから、考えるなんて大袈裟なように感じるかもしれません。

スーパーに並んでいる野菜や魚。
どれもおいしそうですが、この季節に並ぶべきものばかりでしょうか?
どこからやってきたものでしょうか?

いまや、当たり前に店頭に並ぶ様々な食材。
それも必要とは思いますが、旬の食材は1年の中で一番おいしく食べられて、そのものの味を楽しむことができて、また栄養価も高いのです。
スーパーの店頭に並ぶ様々な野菜を選ぶとき「いまの旬は?」とちょっと考えてみてはいかがでしょうか。
そして、子供と一緒に買い物にでかけ「いま旬の野菜は?」と一緒に探してみてはいかがでしょうか。
子供も「あの時はたけのこが売っていたのにいまはないね」とか「なんだかいまはたくさん鮭が並んでいておいしそう」とか気づくことがあると思います。
大人も同様に、ちょっと考えて感じてみることで気づくことがあると思います。

そして、輸入されてきた農作物が日本にくるまでには、自動車、鉄道、飛行機、船など、様々な膨大なエネルギーが消費されています。
同じ作物が国産の場合はどうか考えてみてはいかがでしょうか。
値段だけで決めるのではなく、そういったことを少し考えると、食材ひとつ買うということも「地球環境にやさしい食事のひとつの選択」をしているといえるかもしれません。

小さなことでも「考えることは大切な食育のひとつ」と思っています。

料理について感じることの大切さ

からだ全部で料理を感じる。

私は仕事で料理を作りますから、「時間内に」とか「品数をたくさんこなして」とかということもよくあります。
そんな中、あるとき「本当に大切だな、忘れたくないな」と感じる出来事がありました。

仕事で子供と一緒に料理を作っていたときのことです。
キャベツを茹でていると、その子は「いいにおい~」と鍋の中をのぞいていました。

そうです。
料理をすると、その食材が調理されていくにつれ、その香りがあり、色があり、様々に変化しておいしそうな料理になっていくのです。
忘れがちなことですが、食材があって、料理になっていく。
そんな様子を感じることって大切だな、と改めて感じたのでした。

食材の栄養や効能ということももちろん大切なことです。
ですが、その食材はもともとどんな色をしていて、調理するとどんな様子になるのかを知る、感じることも大切に思います。
五感をつかうのです。
大人も子供も、そんな些細なことに目を向けられる気持ちがあると、その食材自体の本来の味、おいしさを感じて、料理を食べられるのかなと思います。

もうひとつ。
私の著書に、「あぶら部」という本があります。
その本の中で、私はある気持ちを込めて作っています。
それは「楽しく食事をしよう!」ということ。

以前、私自身もダイエットに励み、食事を楽しむというより、
とにかく少しでもカロリーの低いもので空腹を抑えて…と考えていた
時期がありました。
また、若い女性や主婦の方でもそういった考えをよく聞きます。
いまのヘルシーブームの中、カロリーの高いものに対して批判的な考えもあります。
もちろん、カロリーの高いものばかりを年中、必要以上に食べるのはよくないことですし、全く賛成できません。
しかし、ダイエットばかり気にしていたら、食事が楽しくなるわけがありません。
「食事は楽しむもの、楽しむべきもの」と思っています。
だから、「食事をすること」についてもっと感じてもらえたらと思います。
「今日はなんだかカロリーを摂りすぎたな」と感じたら、翌日はヘルシーなものを選ぶ。
「今日は野菜が足りないな」と感じたら、翌日は普段よりも積極的に野菜を摂る…というように。
自分自身でそんな感じ方ができれば、きっと楽しい食事ができると思うのです。
まずは日々感じること。
それができてから、もっとバランスについて考えましょうか。

料理について感じること、小さなことかもしれませんが、それも食育のひとつと思います。

「食育」の中で、特に大切に思っていること、忘れないようにしようと思っていること。
「食べ物の大切さ」、「考えることの大切さ」、「感じることの大切さ」。
大人から、そして子供へと伝えていきたいと思っています。

photo by Masaya Tanaka